今回レビューする「Celeste」はいわゆる死に覚えゲーです。Steam、Nintendo Switch、 PlayStation 4、 Xbox Oneでプレイできます。
プレイヤーは主人公の「マデレン」を操作し、セレステ・マウンテンの頂上を目指してひたすらに進み続けます。
2Dアクションゲームはそこそこプレイしていたので、プレイ前はサクっとクリアする自信があったのですが、想像以上に難しかったです(笑)本作は各チャプターの死亡回数を見ることが出来るのですが、エンドロールまでに2000回以上も死ぬとは思いませんでした・・・
しかしながら死んでもテンポ良くステージ攻略を進めることができる設計になっているので、プレイしていてストレスはそこまで感じないんです。

目次

シンプルな操作性と巧妙なステージギミック

本作は「ジャンプ」「ダッシュ」「壁登り」といった操作しか基本的にはありません。主人公に体力ゲージは無く、針山や奈落に落ちたら即死してしまいます。
何度も死を味わう感覚は「スーパーミートボーイ」という作品を思い出しますが、本作を単純なアクションゲームとして見ても、過去の名作に勝るとも劣らない素晴らしい完成度と言えるでしょう。

やり直しても大きく進行を戻されることもないので、とりあえず動かしてから考えるタイプの私には有難かったですね(笑)
ステージギミックなども豊富で、上記3種類の操作を応用しながら進んでいきます。例えば、「空中ダッシュ」はジャンプしてから着地するまでの間で1回しか使えないのですが、再び使えるようになる宝石があったり、体を吹っ飛ばすシャボン玉でステージを駆け巡ったりと爽快感溢れるギミックが多数存在するんです。

ギミックを使用するタイミングも重要で、そこがデス数が増える要因にもなっています。まず、ステージが基本的に複雑なので、各エリアをクリアするためのルートを探すところから始まり、その後に正確なコントローラー操作が要求されます。このどちらにおいても何度も死なないと理解できないため、デス数がかさむんです(笑)

つまり、アクション要素はもちろん謎解きやパズルを解く感覚も味わうことができるんですよね。

やり込み要素

ステージの攻略中に何個か登場する「浮遊イチゴ」
獲得しても特に能力が上がる訳でもないのですが、見つけると取りたくなっちゃいますよね(笑)ほとんどのイチゴが取り難い場所に浮かんでいて、中には「ダッシュ」を使うとどこかに逃げて行ってしまうイチゴもあるんです。

普通にステージを進めるだけでも十分やりごたえのある難易度ですが、更なるアクションの高みを目指すプレイヤー向けに用意されているのでしょう。しかしながら個人的に1周目は無視することをオススメします。私も最初はムキになって集めていたのですが、本作の魅力であるテンポ良く進んでいく感じが損なわれている気がして、途中から完全無視でした(笑)

また、各ステージのどこかに「カセットテープ」が浮かんでいて、獲得すると、そのステージのB面が解放されるんです。B面は通常のステージと構成は似ていますが、難易度は大きく変わって難しくなっています。
パズル要素も濃くなっていて相当時間をかけて攻略する必要があるため、エンドロール後に遊ぶことをオススメします。ちなみに、B面をクリアするとC面が登場します。C面はもう訳が分からない難易度です(笑)

引き込まれるストーリー

アクションゲームなのに意外とメッセージ性が強いんです。
本作がどういう物語なのか簡単に説明しましょう。

主人公のマデレンは、理由は分からないけど山を登っています。途中で自分の分身と出会うのですが、なぜか主人公を邪魔したりネガティブな発言をしてくるんですね。物語の後半で遥か下の谷底にまで落ちてしまいます。絶望しているマデレンが遂に分身と向き合い、受け入れることで一つになりレベルアップを果たします。その力を身につけ最後にはセレステ山の山頂にたどりつくことに成功するんです。

大筋はこんな感じで一見するとありがちな物語なのですが、演出と音楽が素晴らしく、キャラクターの会話を見ていると気持ちが昂ります。マデレンと苦難を共にしたプレイヤーも物語の終盤に連れて、ゲームプレイとリンクしているのを感じそれがカタルシスを生むこと間違いなしです。

まとめ

本作はとんでもない難易度なのですが、ちゃんとアクションゲームが苦手な人のために救済措置が用意されています。「アシストモード」をオンにすることで何度でもジャンプ出来たり、無敵になれたりしちゃうんです。正直どうしてもストーリーが見たい人にしかオススメしません(笑)

アクション部分が作業になってしまうのは非常に勿体ないですし、たぶんすぐ飽きます。アクションとアドベンチャーとしての要素がうまく取り込まれているので、気になった方はぜひプレイしてみてください。

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